いまはいい車を作っても売れるかどうかは値段次第?

戦後の日本は「消費革命」を起こした。車は一家に一台の時代へ

2002年には1・8リッタークラスの「プレミオ」「アリオン」を発売。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)を長く取り、可能な限りの広い車内を実現した。2003年には12代目となる通称「ゼロ・クラウン」を発売。高い動力性能と低燃費を両立させ、自動車業界関係者を驚かせた。その他、狭い日本の道路でも使いやすい5ナンバーサイズのプレミアムセダン「プログレ」など、セダンを提案した例は枚挙にいとまがない。エキセソトリックなモデルあり、正統派セダンあり、これだけ多くのモデルを矢継ぎ早に出すトヨタのセダンにか賭ける意気込みは、相当なものである。

トヨタはそれらのモデルを通じて、セダン・イノベーション(セダンの変革)を提唱してきた。その根底にあるのは、ファントゥドライブすなわち運転の楽しさに徹底的にこだわるという、トヨタのモノづくりの哲学である。セダンに顧客が戻ってくる日。マークⅡの系譜を受け継ぐマークXだが、その成り立ちはトヨタが90年代半ばに掲げたセダン・イノベーション路線を突き進むものだ。

メルセデス・ベンツEクラスやBMW5シリーズなど、世界のミディアムクラスのプレミアムセダンに打ち勝つ走りを目指したが、それは単なるカタログの飾り文句ではない。きわめて高く設定された性能目標を達成するため、マークXは企画段階で、マークXに比べてークラス上の大型セダン、クラウンの車台を使って作られることが決定していた。流用されるのはフロアパネル、サスペンション、エンジン、自動変速機など、クルマを作るさいに最も重要な基本構成部品のほぼすべてである。現行のゼロ・クラウンは世界基準の走りを目指して作られ、高い評価を受けている。
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